みなさん、こんにちは😃
12月決算は第三四半期、3月決算は第二四半期の決算発表の時期が11月に本格的になるのに合わせ、株価の動きが注目される時期なりました。
特に、10月25日からはアメリカのGAFAの決算発表があるので、市場を牽引する株だけに、市場連動型のETFや投資信託への影響が気になるところです。
さて、本企画11回目は、哺乳器・乳首の世界シェアがNO.1のピジョンです。
日本での哺乳器シェアは90%以上とダントツなので、みなさんも子供の頃は、ピジョンの哺乳器には少なからずお世話になっていると思われます(わたしもおそらくそうです)
それではピジョンとはどのような会社か見ていくことにしましょう。
外国人株式保有割合は44.5%
この表は、日本証券所グループが2021年7月に発表した、2020年度株式分布状況調査結果です。
赤枠のその他製品の外国人の株式保有割合は、2019年の37.0%から2020年は39.3%と2.3%プラスになっています。
ピジョンの外国人株式保留割合は、証券会社のデータを見ると直近44.5%となっています。昨年度の割合が51.6%だったので、割合は減少しています。
これは投資信託などの構成銘柄から除外されたことが影響していると思われます。
将来性に何か不安な要素でもあるのでしょうか?
株価を見ると、下落傾向でした。
何か大きな不安要素を抱えているのかもしれません。
投資指標分析
1.PER・・・28.82倍
・一株あたりの当期純利益に対し、株価は28倍となっています。日経平均の14倍と比較すると、倍になっているので、株価は割高と言えます。
・ピジョンは赤ちゃん向けの製品を作っているため、売上は生まれる赤ちゃんの数に影響される、と考えられます。
・令和2年の日本の合計特殊出生率は1.34で、右肩下がりの傾向が続いています。
・ちなみに、合計特殊出生率とは「15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」で、2つの種類があり、一人の女性がその年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数のことです。
・一般的に出生率というと、期間合計特殊出生率のことを指し、ある期間(1年間)の出生状況に着目したもので、その年における各年齢(15~49歳)の女性の出生率を合計したものです。
・今は年間に生まれる赤ちゃんが約80万人、昭和はその三倍なので赤ちゃんを育てる環境は時代と共に様変わりしました。
・子供一人育てるにも大変な時代です。
・日本だけでは、これからの売上は望めないため、年間多くの子供が生まれる近隣国で売上を伸ばし、事業収益のリスク分散を図っています。
・ピジョンの2021年第二四半期(1月〜6月)の事業別売上を見ると、中国事業の売上が日本事業を上回り、シンガポールとともに高い利益率となっています。ちなみに、ランシノ事業とは、乳首を保護するクリームを販売する事業です。
・現在、中国事業がピジョンの売上を牽引している状況となっています。
・世界銀行のデータによると、2019年の中国の出生率は1.70人なので、日本の1.34と大きく変わりませんが、人口に比例して新生児は日本の十倍以上と想定されるので、マーケットとしては十分と考えられます。
2.PBR・・・4.07倍
・PERの4.07倍は、日経平均の1.29倍の3倍相当となっています。
・マイインデックスさんのホームページによれば、全世界の平均が3.0倍、米国が4.9倍なので、資産価値は世界レベルで評価され、株価は割高と言えます。
3.ROE・・・14.01%
・日経平均が9.2%、世界平均が10.2%、米国平均が13.2%に対し、これを上回る値となっています。外国人投資家が一番重要視するのがROEですが、外国人投資家の株式保有割合が高いのも納得できます。
4.売上、営業利益、経常利益、当期利益
・今期末の売上予想は前年比+1.4%、営業利益、経常利益、当期利益についてもプラスを見込んでいます。
・国内は新型コロナ感染症の影響から訪日外国人の特需がなくなり、売上及び収益は減少しておりますが、コロナの影響から経済が復活している中国事業の売上が伸びており、国内事業が苦戦する中、事業の柱となっています。
・ただ、中国事業については、日本と中国の関係が思わしくない中、今後大きなリスクとなる恐れがあるため、取引上限は設ける必要があると個人的には思います。
※先にお見せした株価が下落傾向な理由は、こうしたリスクを回避することの表れかもしれません。
ピジョンの歴史
ピジョンは1957年(昭和32年)、株式会社ピジョン哺乳器本舗として、神奈川県茅ヶ崎に設立されます。
創業者の仲田祐一氏は、母乳を与えることが難しいお母さんのために、母親のおっぱいに近い哺乳瓶を作るためにピジョンを設立します。
ちなみに、ピジョンと言う社名の由来は、赤ちゃんの幸せを願い、1951年、平和で豊かな社会であってほしいという願いのもと、平和のシンボルである「ピジョン(鳩)」を社名にしたとありました。
また、ピジョンのブランドロゴは、「お母さんとおなかの赤ちゃんを表した2つのハート」と「Pigeonの頭文字“P”」を組み合わせた形となっており、「お母さん、お父さんには代われないけれど、たくさんの人へ、愛をかたちにして届けたい」という想いが詰まっています。
なんとも素敵な意味合いが込められているロゴなんですね。
1,000人のお母さんのおっぱいを吸って哺乳瓶開発
ピジョンの顧客は赤ちゃんです。
でも、赤ちゃんは喋りませんし、製品を良いとか悪いとか評価してくれません。
疑問に思ったのが、そんな赤ちゃん用の哺乳瓶を開発していくために、良いとか悪いとか、どのような判断基準を持って評価するのだろうと言うことでした。
そこで、ピジョン創設者である仲田祐一氏に関する記事をネットでいろいろ調べると、1,000人のおっぱいを吸った男という記事をが出てきたので、読んで納得しました。
赤ちゃんが何も言わなければ、自分が赤ちゃんの気持ちになって、おっぱいを吸うしかないと。
悩んだ挙句の考えなのでしょうか、普通の状態では思いつかない発想です。
記事には、子供を持つお母さんに頼み込んで、おっぱいを吸い、その感覚を頭に叩き込み、謝礼もちゃんと渡し、仕事として行なっていたとのことです。
創業者魂を感じます。
哺乳瓶開発にはこんな涙ぐましい裏話があったんですね。
以下は、始めて世に出た哺乳瓶です。口の形状がそれまで直線的なものしかなかった時代に、乳首のような形状で発売され、大きな反響を生んだようです。
そして、時代ごとにさまざまな哺乳瓶開発が行われ、現在は母乳実感という哺乳瓶を主軸に販売しているようです。
また、母乳実感の開発に関わるストーリー動画がピジョンのホームページにありましたので、以下の通り載せておきます。
まとめ
それでは、今回のピジョンのまとめです。
◎外国人株式保有割合は44.5% ・その他製品業界平均を上回り、海外投資家の人気が高い。 ・国内の売上は出世数の減少から頭打ち傾向が強く、海外売上が主軸。 ・ただし、売上が最も高い中国事業については、中国政府の対外的な強硬姿勢によって、大きなリスクになると思われ、過度な投資や売上依存は危険と思われる。 ◎投資指標はどれも世界レベル ・PER28倍、PBR4倍、ROE14%は日経平均を大きく上回り、世界水準レベル ◎事業の将来性 ・国内の出生数は減少の一途。コロナによって結婚を控える動きが強まり、出生数の増加は見込めない。 ・新生児が生まれる国はすべからく哺乳瓶が必要であるため、欧米など、日本と価値観を共有する国への投資が、今後の将来を大きく左右するものと思われる。
今回は、哺乳瓶開発で世界シェア一位のピジョンをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
歴史があり、日本を代表する企業の一つですが、国内の新生児の出生数が減少するなかで、海外に活路を求めない限り、将来性は大変厳しいと言えます。
中国事業が好調であるものの、昨今の中国の情勢を見れば、軍事力の増大によって近隣諸国との摩擦や緊張感が強まっており、日本が一番のターゲットになっているように思えます。
日中友好は過去の話として、様変わりする中国に事業の柱を置くことは非常なリスクと考えられるので、ピジョンの中国事業の将来性が気になるところです。
外国人の投資割合が高い他に、チャイナリスクも投資を行う上で必要な要素であるということです。
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次回もお楽しみに。それではまた(^_^)/~
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